
本日はよろしくお願いします。早速ですが、まずはこれまでの経緯を簡単に教えていただけますか。
大学生の頃は明確にやりたいことが定まっておらず、何となく大きな金額を扱う仕事はやりがいがあるだろうと思って不動産営業の会社に就職しました。
最初の配属先が個人向けの売買仲介の部署でしたので、営業マンとして土地や中古の戸建て、マンションなどを売りたい方と買いたい方を繋ぐ仕事をしていました。
そこから税理士を目指したのには、どのような理由があったのですか?
不動産取引では譲渡所得税や不動産取得税といった税金の問題が必ず絡んでくるため、会社が提携している税理士に相談したり、お客様へ税理士を紹介していました。
それが自分が初めて税理士の方と接する機会だったのですが、当時の自分には専門家としてお客様に接している税理士という職業がとても魅力的な仕事に思えました。
その後、リーマンショックで不動産業界が厳しい時代になったこともあり、将来の自身の方向性について考えるようになりました。そのタイミングで、これまでぼんやりと憧れを抱いていた税理士を目指してみようと思ったのがきっかけです。
ということは、一度退職されて税理士試験の勉強に専念されたのですね?
最初の1年間は資格の専門学校に通って税理士資格の勉強に専念していました。その後は、個人の会計事務所に入所して昼間は仕事をして、平日の夜と土日は専門学校に通って勉強するという生活で、仕事を覚えながら勉強をしていました。
その事務所では、どんな種類の仕事が多かったですか?
顧問先は個人事業主や中小企業がほとんどでしたので、個人の方の一般的な確定申告や法人の申告業務、あるいは記帳代行業務などを一通り学びました。
また、医業や歯科医業のお客様が多い事務所だったので、医療系の申告業務や医療法人の税務など業界的には専門性の高い仕事も経験しました。
なるほど。その後、税理士の資格を取られてから大手の税理士法人へ転職されたそうですが、それはなぜですか?
最初の会計事務所で一般的な税理士としての仕事はある程度経験し、そつなく業務をこなせるようにはなったのですが、税理士としての自身の将来像を考えたときに何か専門性を身に着けたいと思っていました。
そこで、相続税に代表されるいわゆる資産税の仕事を経験したいと思ったためです。
相続税の業務は大手の税理士法人でなければなかなか経験できないものなのでしょうか。
相続税の業務は税理士の業務の中でも特殊で専門性が高い分野です。ただ、所得税や法人税と違って毎年定期的に発生する仕事ではありませんので、たとえば相続税の申告業務にあまり力をいれていない個人事務所では顧問先の身内の方にご不幸があったときくらいしか相続税の業務に携わる機会が無く、実務の経験を積むことが難しい実情があります。
一方、大手税理士法人では金融機関や葬儀会社と提携しているケースがあり、その場合は年間を通して相続税業務の紹介があるため、自然と経験を積むことができる状況にあります。
私が転職した税理士法人では某大手信託銀行から定期的に相続税申告の必要なお客様を紹介してもらっていて、私もそこで数多くの相続税申告に携わる機会をいただきました。
相続税の分野は税理士さん選びが大事だと聞きます。
先ほどの話のとおり、相続税申告は税理士事務所によってはそもそも経験を積むことができないため、相続税の知識はあっても経験がないという税理士さんは一定数います。
たとえば相続税申告では土地の評価は重要な論点なのですが、その評価に関わる税務上の特例の適用可否、検証をどこまで行うか、そもそもその特例の存在に気づけるかどうかというのは、これまでの相続税の申告経験によって大きく左右されると思います。そうした点が税理士選びが大事といわれるゆえんかと思います。
どうやって相続に強い税理士さんを選べばよいのでしょうか?
私見ですが、その税理士さんのこれまでの相続税の申告件数がどれくらいあるかは一つの判断材料かと思います。
その辺は「どのくらいやっていますか?」と質問してしまってもいいものなのでしょうか?
積極的に聞いていただいて構わないと思います。相続税の業務に自信がある先生であればしっかり回答してくれるはずです。
もちろん申告件数が全てではありませんので、その先生の話し方や印象、ご自身との相性も重要なポイントだと思いますが。
相談先をウェブで探すときは、税理士さんのプロフィールを確認してみるのもよさそうですね。
そうですね。相続を専門に扱っている大手の税理士法人であれば業務の品質は担保されていると思いますが、個人事務所の場合は担当される方のこれまでの経歴を確認したほうがよいと思います。
ところで、大手の税理士法人と個人事務所ではどのような点が異なると思いますか?
大手の税理士法人はやはり一定程度の業務品質が担保されていて、安心感はあると思います。ただし、どんな方が担当するか分かりませんので担当者次第ではお客様と相性の合う合わないがあるかと思います。
一方、個人事務所の場合はその税理士さんの力量に左右されますが、どんな人が担当するかはっきりしている点は違いかなと思います。
どちらがマッチするか、一度相談して感覚を掴むのもよいかもしれませんね。萩原さんの事務所では、個人事務所として何か気をつけていることはありますか?
私自身、独立前の大手の税理士法人時代はどうしてもパッケージ化された画一的な対応になりがちでした。ですので、せっかくご依頼いただいたお客様には個人事務所ならではの柔軟な対応を心がけています。
柔軟な対応というと、より具体的にはどんなことですか?
たとえば初回のご相談から申告までに要する面談回数です。
はい。事務所によっては面談回数に上限を設けているところもありますが、弊所では必要であれば特に回数制限は設けていません。
また、相続人の方がお仕事をされている場合などは、夜遅い時間や土日の面談にも対応しています。
そういえば、ちょっと話題が変わってしまいますがこちらの事務所の場所はセンター北駅の目の前で便利ですね。お客様はどのあたりにお住まいの方が多いのでしょうか?
都筑区、青葉区、緑区、それ以外にも川崎市も近いので横浜市、川崎市の方を中心にご相談いただいてます。
ちょっと遠いかな?という場合でも相談して大丈夫ですか?
大丈夫です。都内の方のご依頼もございます。
ありがとうございます。そのご相談ですが、最低限用意したほうがよいものはありますか。
最初は特別なご準備は必要ありません。相続手続きは期限があるため、お一人で悩んでいるとどんどん時間が過ぎてしまいます。
初回の相談は無料ですので、ご自身でお悩みの整理がついていない状態でも構いませんので、まずは一度お話を聞かせていただきたいですね。
自分で抱え込まずにまずは一度相談してみることが大事ということですね。本日はありがとうございました。
ありがとうございました。